時代の変化に合わせた接客スタイルを

お客様の行動や思考の変化に合わせて、接客スタイルも変化させていくことが求められます。
現代における接客に必要な要素としては
・人対人の体験を促す接客
・潜在ニーズを満たす提案
・お客様のためのクロージング
・LINEその他SNSにおけるオンライン接客
・リアルとオンラインを融合させた接客スタイル
などがあげられますが、これらを実際に取り入れてできている店舗は多くありません。
時代の変化と接客スタイル
接客よりもイメージ重視
1980年代のDCブランドブームの中で登場したハウスマヌカンが憧れの職業であり、ハウスマヌカンと小売店で客にスタイリングのアドバイスや商品の説明をする女性販売員という定義ではありますが、実際にはハウスマヌカンはイメージを伝えるモデルのような役目で、着用している服に憧れてこぞって買い求めるという動きがありました。
→スタッフは接客というより店頭での広告となり着用している服が売れるという時代(商品軸)
おしゃれな販売員や雑誌が情報源。商品軸の接客。
1980年代後半からは、ベーシックな服をカジュアルに着こなす渋カジや自由な発想のアメカジなど渋谷がファッションの中心となり、その後音楽から影響を得た渋谷系やクラブファッションが台頭しています。さらに109系のギャルファッションも人気となりました。
→簡単な接客でも雑誌掲載の商品やショップスタッフの着用アイテムが売れる時代(商品軸)
商品軸の接客 VS セルフ型接客
バブル崩壊の影響が実際にアパレル業界で出始めた1990年代後半からはファストファッションが台頭し始め、1998年にはユニクロのフリースが一大ブームを巻き起こしました。商品軸の接客は続いていますが、ファストファッションのように接客をしないショップでの買い物の良さを実感しつつあります。
華やかさや個性というよりも、リアルクローズが受け入れられ、かつてのハウスマヌカンやカリスマ店員、ファッション雑誌のモデルのような華やかな人ではなく、読者モデルのような等身大の人がファッションリーダーとなりました。
→接客されないファストファッションが心地よいと感じるように。人気のアイテムが決まってきていることもあり、これまでのような商品軸の接客が必要ではなくなりつつある。(商品軸の接客が通用しなくなる)
ネット販売が普及
2007年にiPhoneが日本で発売され、その後はインターネットの発達もあり、店舗での買い物ではなくネットショッピングを主とする人も増え、ショップはネットショップで買う前の下見になることも。
→ネットショップでも商品説明が詳しく掲載されているため、店頭では商品軸の接客は必要なくなる。対面だからこその接客が必要となる。(商品軸の接客では受け入れてもらいにくい)
withコロナの新しい接客スタイル
コロナ禍で外出できない期間があったことでネットショッピングが一般化しつつある中、さらにSNSマーケティングなども登場。
→リアル店舗では対面接客ならではのメリットを打ち出すことが重要となる。体験や個別対応がますます必要となる。
これからの時代に必要な接客
時代の流れとともにお客様のショッピングに対する考え方が変化し、商品軸の買い物から自分軸の買い物に移行しています。
ですが、多くのショップでは商品軸の接客ばかりが目立ち、現代のお客様の心理状態と異なる接客となっているため、多くのお客様は「接客は必要ない」「声をかけて欲しくない」と思うようになってしまいました。
商品軸の接客が不必要なわけではありませんが、まずはお客様軸の接客を心がけてみませんか?お客様は接客が必要ないのではなく、商品軸の接客が必要ないのです。